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2006年12月28日 (木)

河北潟の七不思議

「鴨は大麦若葉が大好き」のつづきです。

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金沢は朝から大荒れの天気。強風にミゾレは、典型的な冬の北陸の天気だ。こんな日はカモ達が騒ぐ。強風や横なぐりの雨をものともせずに、大麦畑を荒らす。生きてゆくためのカモたちの営みなのだからしかたがない。しかし今夜からは雪になりそうでなので、雪が積もれば大麦を食べることはできない。すこし鴨たちが不憫な気さえする。(被害に会われている農家の方ゴメンナサイ)鴨追いの夜間パトロールも今日でひと段落だ。

さて、私の有機小麦・有機大麦畑。信じられない話だが、ここ数年は鴨の被害がほとんど無い。仲間の農家からは「河北潟の七不思議」と言われたことも有る。「脅しの旗」も立てないのに、何故か私の畑だけ、鴨が降りないのだ。

「堆肥の匂いを嫌がるのではないか?」と仲間の農家が言えば。「有機栽培は雑草が多いからではないか」と普及員が言う。(失礼だ怒)不思議な話である。

私は答える「彼らは私が愛鳥家であることを知っているのですよ」

真実は鴨達に聞いてみなければわからないが、私なりに、観察し仮説を立てて対処法を検討、実験的に実行してきた成果だと考えている。(少し誇らしげ)

畑に降りる鴨たちの気持ちになったとき、畑の表面が光る事、これが畑に降りる条件だと考えた。

仮説:鴨たちは天敵から身を守るために、安全な場所を選んで餌場とする。広々と見通しが良く水辺の湿地帯で水が多いと事が舞い降りる条件だ。

対処法:水はけを良くする為に、明渠(排水の溝)を掘る。サブソイラー(トラクターに装着した長いナイフのような機械で、畑に切り込みを入れる)。土壌表面のクラストと呼げれる土膜を作らないように、ロータリー耕などで表土を細かくしすぎない。(不耕起がベスト)

上記は当たり前の技術だが、最も重要なポイントは、重粘土で腐食率の低い土の物理性を根本的に改良する事。つまり、堆肥等の有機物を投入して、健全な土壌の団粒構造を醸成することなのである。

「私の土作り」は窒素・リン酸・カリを有機物で補うことではなく、人の手で土の物理性を変えてゆくと事に重点を置いている。

有機小麦・有機大麦の畑に鴨の食害が少ないのは、父親の代から土作りに重きを置き、土壌改良を実践してきた地道な積み重ねの成果であると考えている。

写真は、大きな明渠を掘った有機小麦畑(シロガネコムギ)鴨の害は、ほとんど無い。

石川県のレポート

http://www.affrc.go.jp/seika/data_kanto/h13/19/narc0119t19.html

Posted by 井村辰二郎 at 09:10 午前 有機小麦・大麦 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006年12月27日 (水)

鴨は大麦若葉が大好き

061227_164556_m 061227_164724_m 当農場が有る河北潟干拓地周辺は、シギ・サギの数では、ラムサール条約の規程を満たすほど、水鳥が多い地域である。冬場は、鴨やコハクチョウ等の渡り鳥も多く、にぎやかだ。愛鳥家にとっては素晴らしいことだが、農家の事情は異なる。河北潟干拓地の農家にとって、鴨は害鳥で有り「レンコン」「大麦」「牧草」などへの被害が深刻なのだ。レンコン畑に潜り収穫前のレンコンを食べ、1千羽以上の鴨の群れが畑に降り立ち、緑のじゅうたんの様に美しかった大麦畑を、一夜で「まるはげ」にしてしまう。大麦農家はたまったものではない。

農家の防衛策は、肥料の袋でこしらえた「脅しの旗」や「脅しの為のテグス」を畑に立てること。投光機と鴨の天敵「イヌワシの声を響かす装置」の付いた軽トラックで、夜回りをして鴨をおとり池に追い込む作業。(当番制で18時から22時まで)そして最後は地元の猟友会にお願いする形で駆除を行なう。(禁猟区であるために野放しのカモたちを法的手続きを経て、駆除する)

さて、生態系に敬意を持つ私の立場は?もちろん駆除反対である。私の有機大麦・有機小麦畑も鴨の標的であり、父親の代から被害に遭ってきた。以前は旗も立てたし、今年も鴨追いの夜回りに参加する。しかし、鉄砲による駆除は反対である。

5年ほど前だろうか。鴨の気持ちになって考えてみた。空中を飛び移動する鴨達はどんな場所に降りたいのだろうか?

以下、そのとき頭に浮かんだ光景。

日没から数十分後、夜行性の鴨達は羽根を休めていた河北潟の水辺から一斉に飛び立つ。その数約二千羽。その群は夜の浮雲に見え隠れする月の光の中を餌場に向かって移動する。降りる場所を意思決定する群れのリーダーは考える。なるべく水辺に近い状態の湿地帯に降りたい。外敵から群れを守るためである。ローターリー等で美しく耕した麦畑の表面は、月の光を反射し湖面のように輝く。「あそこへ降りるぞ」狙われた畑は「脅し旗」の有る無し関係ない。「脅し旗」が無害であることは学習済みなのだ。

写真は、仲間の農家が麦畑に立てた「脅し旗」。効果なく若葉を食べられてしまった。

次回「河北潟の七不思議」へ つづく

Posted by 井村辰二郎 at 06:03 午後 有機小麦・大麦 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月24日 (日)

正社員募集

有機大豆の収穫も無事終了し、有機小麦をあと60アール播けば、本年の畑仕事は終了する。クリスマスはゆっくり休んで、26日に農場の仕事納め、忘年会となる。
当農場で3年間働いてくれたM君が来年の1月で退職することになった。優しく真面目で、感性の豊かなナイスガイ。一生懸命頑張ってくれていたのだが、他の道へ行きたいという事で残念だ。
さて、金沢農業では新年から新しいスタッフを募集する。有機農業に夢を持てる方がいたら是非連絡してほしい。
連絡先 imura@k-daichi.com
募集内容
事業主:金沢農業 井村辰二郎 (法人ではありません)
事業内容:石川県金沢市を中心に有機大豆・有機小麦大麦・有機米を栽培しています
耕作面積:畑地108ヘクタール(麦大豆の二毛作)、水田30ヘクタール
正社員:4名
募集人数:2名
仕事の内容:トラクター・コンバインの運転を中心とした水稲・麦・大豆栽培
正社員(厚生年金/社会保険完備)
年齢20歳以上/学歴不問/試用期間3ヶ月(宿舎有り)
給与:固定給プラス残業手当・通勤手当・家族手当等有り
労働時間:8時〜17時(昼休み1時間)
休日:農閑期1・2・8月(日曜)農繁期:指定日 夏期休暇 冬期休暇
※ジャガイモ・タマネギ・ニンジン栽培の経験者は優遇します。
関連会社
(株)金沢大地 (食品加工・販売)

Posted by 井村辰二郎 at 07:02 午前 営農 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年12月20日 (水)

有機大豆の刈り取り⑤

061220_114523_m 061220_114541_m 雨天続きで中止していた大豆の収穫を行なった。(フクユタカ)莢の中の水分はまだ高く、少しふやけた様な状態だが、この晴れ間を逃せばチャンスは無いと判断して、強行突破に踏み切った。明後日まで晴れれば本年の大豆収穫は終了する。エルニーニョ現象による暖冬で、有機大麦・有機小麦も順調に生育している。小麦の播種も今週で終了するだろう。大雪に見舞われた昨年の今頃を思い出すと、感謝の言葉しか出てこない。明日は関西からのお客様を、門前山是清の第二農場に案内する予定だ。

Posted by 井村辰二郎 at 07:01 午後 有機大豆 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年12月12日 (火)

奇跡のリンゴ

NHKプロフェッショナル 第35回 りんごは愛で育てる~農家・木村秋則~
http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/

先日いらっしゃったお客様から是非見るように薦めれていたのだが、再放送を含めて見逃してしまった。残念

木村氏は、一般的に無農薬栽培が困難とされる「リンゴ」で無農薬・無肥料栽培を実践なさっているそうだ。素晴らしいことだと思う。番組を観ていないので、木村氏についてはこれくらいしかコメントしないが、ミクシーや農薬関連の匿名掲示板で、誹謗中傷を含めたコメントが多いことに驚いた。匿名の掲示板はほとんど覗かないが、リンクをたどって拝見させていただいた。投稿者の価値観や哲学が多様であることは当然だが、「疑い出せばきりがない的なコメント」が多いことに恐怖すら感じた。ネット社会の功罪について改めて考えさせられもした。12月9日にNHKでネットについての特番が有ったらしい。(これも観れませんでした)

木村さんの話とずれてしまったが、人を信じる気持ちも大切にすべきだと思う。

木村さんについては、勉強になることが多いと考え情報を取れる範囲で勉強し、機会があれば農場を訪れてみたいと思う。その時は、私の責任で、感じたことや学んだことをレポートしようと思います。

我が家の食卓では、オルター金沢さんから届く、低農薬のリンゴを美味しくありがたく頂いております。

●ミクシー内[食育~子どもの食事] トピックhttp://mixi.jp/view_bbs.pl?id=13158956&comment_count=17&comm_id=29283

●「新生農薬掲示板 http://nouyaku.s225.xrea.com/nouyaku/

農薬ニュース議論スレ【3】 スレッドのNo.226~

Posted by 井村辰二郎 at 07:01 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年12月 8日 (金)

「有機農業推進法案」可決

本日、衆議院議員本会議において「有機農業推進法案」が可決された。感無量である。超党派の160名を超える国会議員の皆様や、有機農業学会中島先生、また議連事務局長のツルネン議員、議連会長の谷津義男議員に対して感謝の意を示したい。素直に「ありがとうございました」。

生産者としては少数派であり、農林水産省や行政、地域から異端として扱われることが多かった「有機栽培農家」。私たちの活動に対して、日本国として、道筋をつけていただける内容のようだ。

有機農業のみならず、平成19年度は、品目横断政策等新たな農業政策の開始など、日本の農業は、激変の時代へ突入する。めまぐるしく変わる外部環境・不安定な気象状況等、目の前の霧は晴れない。しかし、何事に対しても、信念を持って前向きに取り組むこと、私の使命は達成途上なのである。

Posted by 井村辰二郎 at 04:48 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 4日 (月)

安全な食べ物ネットワークオルター

12月3日(日)大阪 天王寺区民センターで行なわれた「30周年記念(オルター12周年)フェスティバル」の生産者と会員の交流会に参加した。オルター大阪さんは、関西中心に7000人の会員を持つ共同購入会さんで、代表の西川さんは古くから農家と消費者を結ぶ産直・提携運動をなさってきた。業界では大変有名な方である。農産工房「金沢大地」の商品はもちろん、お豆腐メーカー等原料として大豆や小麦粉を供給させていただいている。70団体以上の生産農家・食品メーカー等が机を並べ、直売やPRを行なった。金沢農業・「金沢大地」は、当日販売はせずに、商品展示と会員消費者のかたとのコミュニケーションの場として参加させていただきました。隣りのブースの三重県の野菜農家さんは、コンテナに沢山の野菜を100円均一で販売なさっており、活気がある声が飛んでいましたが、私のブースは、ご家族のアレルギーや化学物質過敏症に悩む方々との意見交換会のような雰囲気でした。来場者1000人以上の中、50名位のお客様と交流できたでしょうか。まだまだ、有機農産物原料100%の製品が少ないことや、有機農業に対する率直な御意見、励ましのお言葉などを頂き、元気を頂いて帰ってきました。自分も含め、この国の有機農業は、まだまだ発展途上であるけれども、多くの生活者の方が応援してくれていることを再認識し、イベント会場をあとにしました。オルターやボランティアで協力してくださったスタッフの皆様、当日いらしてくださったお客様、ありがとうございました。

晴天の大阪から北陸に向かうと、やはり雨天がお迎えしてくれました。大豆収穫のフィニッシュはお天気待ちです。

Posted by 井村辰二郎 at 06:24 午後 農産工房「金沢大地」 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 1日 (金)

「さといらず」

有機大豆のコンバイン収穫は一休み。しかい、雨天続きと言って、のんびり休んでいる暇はない。みぞれまじりの悪天候の中、スタッフの3名が雨の中「さといらず」と言う名の在来種大豆を手刈りしている。大粒でウグイス色、さとうが要らないほど甘いと言う意味で「さとういらず」と名が付いたらしい。約1ヘクタール位の作付けだが、3日間で半分位刈り取っただろうか。刈り取った大豆の木は、屋根の下の雨が当たらない納屋へ運び込み、30度の温風で莢ごと乾燥させる。今年の「さといらず」は除草しなければならない時期に雨が降り、そのタイミングを逃してしまった。イネ科の雑草がはびこり、作柄は悪い。しかし、契約栽培先の「マルカワ味噌」さんへの供給責任が有るので、コンバイン収穫のロスを無くすために、手刈りをする事にした。昨年はマズマズの作柄だっただけに残念だ。言い訳になるが、有機栽培の場合、大規模の中で、作付け面積が少ないと、安定的に作るのは難しい面もある。畑や播種時期をずらす等の工夫も必要かもしれないが、面積を増やすのがベストだ。

Posted by 井村辰二郎 at 06:21 午後 有機大豆 | | コメント (2) | トラックバック (0)