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2008年4月27日 (日)

「担い手」アカウントエグゼクティブ

AE(アカウントエグゼクティブ)
広告業界で使われる言葉だが、私の頭の中には、クライアントの為に総合的な支援をする営業マン的なイメージがある。

さて、農家として経済活動を行うと色々な壁にぶち当たる事がある。
もちろん農業技術や農業経営的な悩みも多いが、案外手ごわいのが、地域の問題や農政局・都道府県・市町村・JAグループとの調整である。
具体的に何がどうとは言わないが、農業関連の組織・団体が多くあり、その全ての方々の立場や組織の利益、また法令的な建前を満たすには相当な努力が必要と感じる。
あれはダメ、これもダメ、これは対象にはならない、これでは支援できない。
ネガティブな意見も多い。
新しい試みを有る程度のスピードで達成しようとするときには、特この壁を感じることが多いのだ。
法令順守・自己責任がモットーだが、真面目にその壁と会話しようと考え行動すればするほど、膨大なルーチンや時間を消費する。

担当者は皆さん優秀で、日本の農産業の発展の為に働いておられる。
しかし、担い手からの相談、申し出に対して、結果として担い手のチャレンジににブレーキをかけていることはないだろうか?
共に悩み考える、今の農業界はこんな時期に来ているのではないだろうか。

提案である。
地域の個々の担い手に相対して農政局・都道府県・市町村・全農・農協職員の精鋭からなるコンサルティングチームを組織してみてはどうだろうか。
各職員の目標は、担い手の営農を発展させ所得を増やし納税すること。
メンバーは法令順守の下、必要に応じて公平な立場で出向組織との調整を行う。
またメンバーは、その担い手の経営改善計画の達成度によって、職場での評価が決まる。

「担い手」アカウントエグゼクティブとでもイメージしようか。

日本の農業界は、まだまだ発展途上である。
担い手と農業関連団体がしっかりスクラムを組み、成果をあげなければ農の未来は無い。

時間は少ないが、まだ間に合うかもしれない。

もっともっと皆さんの英知を頂きたい。
そしてポジティブに営農したい。
さあ、米・麦・大豆。
沢山作るぞー☆

Posted by 井村辰二郎 at 06:39 午後 日本の農政について | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年4月26日 (土)

耕作放棄地

2005年の調査によると、日本の耕作放棄地(農地)は38.6万ヘクタールに及ぶ。
38万ヘクタールと言われてもピンとこないが、滋賀県や埼玉県と同じ面積の農地が耕作されずに放置されている。

急速に国土が荒れている。

私は、評論家でも政治家でもない、農家である。

行動無く憂うより

「そんなに多くの耕作放棄地が存在するならば、耕してみようじゃないか」

最近、こんな気持ちが沸々と心を支配してきた。

実際、私が就農して10年間で約90ヘクタールの耕作放棄地を開墾し、有機大豆・有機小麦の栽培を進めてきた。

能登門前の第二農場に8ヘクタールを開いて3年目になる。

これから6年(後6年で50歳になる)の私のミッションは、有機穀物の生産拡大と、耕作放棄地の開墾となりそうだ。

まず手始めに、荒れ果てた門前山是清の耕作放棄地50ヘクタールを開墾する。

そして、県外へ出ようと思う。

全国の過疎地の耕作放棄地を耕す。

温めてきた「アジア農業プロジェクト」

私の心の中で静かにスタートする。

Posted by 井村辰二郎 at 06:18 午前 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月25日 (金)

アグリフレーション

アグリカルチャーとインフレーションの文字を合わせた造語。
世界的な穀物価格の高騰を指す。

マスコミ各社の報道により、輸入穀物の価格が高騰していることをご存知の方も多いと思う。
カップラーメンやパン、醤油・味噌など、身近な食材の値上げが行われ、生活の中でも実感できる。

原因をおさらいすると
1、地球温暖化などによる主要産地の不作(オーストラリアは2年連続の干ばつ)
2、世界の人口増加と、中国・インドなどの経済発展が進み畜産物の消費が増えたこと(肉を1キログラム生産するために6キログラムから10キログラムの穀物が必要といわれる)
3、バイオエタノール需要など、作付けシェアの変化
4、オイルマネー、ファンドなどが投機目的で穀物市場に流入
この4点が考えられる。

食糧ナショナリズム?国内の需要量を確保するために、輸出制限をする国も現れた。一方では、食糧が手に入らなくなり暴動が起きている国もあると言う。

日本といえば、工業製品輸出で獲得した外貨により、世界中から食糧を買い集め、その40%を食べ残して廃棄している。
その経済力にもかげりが見え、大手商社は世界市場で買い負けている。

お米の生産調整をしながらも、買いたくない77万トンの玄米を輸入(ミニマムアクセス分と呼ばれる日本に課せられた最低輸入義務米)し、お米の国際市場を吊り上げている。

何かおかしいぞ、WTO。
何かおかしいぞ、日本人。

Posted by 井村辰二郎 at 08:30 午前 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月24日 (木)

担い手不在

一昨日、金沢市の事務局の召集で、平成20年産米 第4回方針作成者部会に出席した。
出席者は、金沢市内の生産調整方針作成者である金沢市農業協同組合・金沢市中央農業協同組合・倉山米穀(株)そして井村辰二郎(個人:別名ひとり親方)、オブザーバーとして北陸農政局の担当者が同席した。
議題は、
1、平成20年度 第一回金沢市水田農業推進協議会通常総会 について
2、県間調整の負担金について
3、県内調整の負担金について
4、農閑期における担い手育成事業について

主な議題は、1番の会議で議論される内容についてで、産地づくり交付金の使われ方や、金沢市水田農業ビジョンの一部変更などの説明であった。
平成20年度 第一回金沢市水田農業推進協議会通常総会については、存在は知っていたが、予算の内容や委員名簿を見たのは初めて。
私が参加したのは、生産調整の方針者同士の部会なので、通常総会に対する議決権は無いが、情報を知ることができたので、勉強にはなった。
もともと金沢市は山間部や開発による改廃農地が有るので、生産調整方針作成者である農協さんの下に入ったほうが、配分需要量は多くなる。
周りの農家からすれば、なにを物好きな?
生産調整方針作成者になる経営的なメリットなど無いと言う事になる。
まあ、私が方針作成者になった経緯はさておき、

1、平成20年度 第一回金沢市水田農業推進協議会通常総会の委員の名簿を見た率直な感想が「担い手不在」である。
委員を挙げよう
1、金沢市農業協同組合代表理事組合長
2、金沢中央農農業共同組合代表理事専務
3、石川中央農業共済組合参事
4、金沢市農業委員会農政振興部会長
5、金沢市土地改良事業教会副会長
6、金沢農業振興協議会長(旧・金沢中核農家連絡協議会)
7、金沢農業振興協議会女性部長(旧・金沢中核農家連絡協議会女性部)
8、金沢市農業協同組合女性部長
9、金沢市中央農業協同組合女性部長
10、金沢市青年グループ連絡協議会
11、(株)米心石川営業部長
12、金沢市校下婦人会連絡協議会副会長
13、石川県消費者団体連絡会副代表幹事
14、石川県立大学教授
15、金沢市農林部長
さて、私の知る限り上記で専業農家は2名、結果的にその農家も稲作農家ではない。

農業社会?全般に言えることだが、重要な施策や決まりごとが有識者?と呼ばれる方々により議論され舵取りされることが多い。
金沢の水田農業ビジョンの策定に、水田の担い手が参加していないのは寂しい限りである。
全国の農業者は、決定事項に文句を言ったり、批判するのではなく、もっと議論の場に参加し、意見を述べるべきであるし、その仕組みづくりが必要である。
農産業と呼べる業界があるとするならば、もっと主体をハッキリさせるべきだ。
「担い手」とは「耕すだけの人」ではなく「考えて耕す人」でなければならない。

Posted by 井村辰二郎 at 04:54 午後 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月22日 (火)

穀雨【こくう】

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24節気の「穀雨」

意味は「作物が潤う、春の雨が降るころ」

金沢では、農業用水に水が満ち満ち、早場米の田植が始まる頃。

河北潟干拓地の麦畑は、春の日差しと適度に降る雨により、大地から一斉に萌えだす。

化学肥料を使用せずに、大地の力(地力)だけで成長するオーガニック大麦は、この季節の雨を待っていたかのように、実りの麦秋へ向かう。

慣行栽培圃場は、3月末4月上旬に施肥した化学肥料により青々、黒々としているが、有機栽培の圃場は、控えめな緑色でまだ未熟である。

慣行栽培圃場の麦たちに追いつけ追い越せ。

有機栽培の麦たちは「穀雨」の季節から急激に成長する。

季節の意味を知るかのように。

一句

「雨任せ 太陽任せ 我育つ」 

08006

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Posted by 井村辰二郎 at 05:16 午後 有機小麦・大麦, 河北潟の自然 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月12日 (土)

農林水産省は、今すぐ生産調整の中止を!!

当農場は、父親の代から生産調整を行い、現在は自ら生産調整方針作成者となり、主体的に生産調整(減反)を行っている。

農政批判をするつもりはない。
生産者が主体的に取り組むべき、主食米の生産調整については、価格下落による米作農家の所得を安定させる意味においては効果が有るのかもしれない。
しかし、政治・経済・環境問題・グローバリゼーションあらゆる面が急激に変化しているこの時代「おかしい」「ちょっと待てよ」少しでも疑問に感じたら、修正→改革、すぐに行動できる仕組みが必要である。
時代は、物凄いスピードで変化している。
米の国境措置と価格政策に固執した政策から、視野を広く持ったレスポンスの早い政策実行の理念と仕組みづくりを急がなければ、この国の農業は崩壊する(もう手遅れかもしれない)
少し回りくどい言い方になったが、現在の生産調整の仕組みは10年持たないと思う。いや5年、もしかしたら今年が最後になるかもしれない。

昨年の米価下落を受け、政府が34万トン買い上げて備蓄にまわし、全農の保管米10万トンをエサ米に回す(実際は1万数千等)
そして、農林水産省が背水の陣でのぞむ20年産米の生産調整。
相場は生き物なので、どんな結果がでるか判らないが、お米の価格を追うのは、もう終わりにしたらどうだろうか。

農林水産省職員は勇気を持って生産調整を中止する行動を起こすべきだ。
研究・シュミレーションをしている間は無い、貴方方の英知を結集して「新しい農業国日本」の舵取りをしてほしい。

先日、能登の門前山是清第二農場へ行って来た。
能登の水田の荒れ方は凄まじい。
年々休耕田が増えてゆく、昭和時代のく美しい水田風景が失われ、過疎地の風景となってゆく。
全国の農村が能登と同じように荒れていることは想像にたやすい。

もったいない、天罰が当たるぞ。
日本国民よ。
農をおろそかにするな、農は国の本。

1、日本のお米は世界一の食糧生産システムである
・真水を蓄え山村から平野まで、人の血液のように灌漑用水を整備したインフラは日本の資産である。
真水の無い大陸の農業がどうして未来永劫栄えるだろうか?
・さあ、もっとお米を作ろうよ。
2、お米が安くなり、国民に選択してもらう事を何故恐れる
・美味しくて安い国産米。もっと安く供給して食べてもらうべきだ。
国境措置は世界貿易のルールの中で取り払い、日本の水稲農家は農産物の絶対的な価値を昇華させよう。
米農家は経営努力するしかない。ぬるま湯から脱出するのだ。

21世紀は心の時代、そして心の時代だ。
自然回帰
農村回帰

古里に残る水田・農村。

地方や地域を活性させ、豊かな国土と国民の営みを継続させるには、水田農業の復興が最優先である。
今すべきことは、米生産農家の所得を守ることではなく、生産を振興することである。

米・麦・大豆、全ての穀物生産を振興しようではないか、価格や需要量を決めるのは市場であり、国民の価値観だ。

水稲を中心とした日本の農業は、東アジアのモデルとなりうる。
祖先が開墾した田畑、灌漑システムは日本が守るべき財産なのである。

Posted by 井村辰二郎 at 10:33 午前 有機米, 水稲 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年4月11日 (金)

朗報

昨年の11月26日に、私が個人名で申請した
大豆の「サチユタカ」「フクユタカ」
小麦の「ユキチカラ」
上記の品種が石川県の「銘柄」に設定された。

一般の消費者の方には、聞きなれない言葉だが、穀物生産農家にとっては、重要な意味を持つ。
http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/hatashin/daizu/meigara.html(参照)
農産物検査法(昭和26年法律第144号)第6条第1項の規定に基づき定められた農産物規格規程(昭和26年農林省告示第133号)に定められており、各都道府県の奨励品種などが一般的である。

お米・大豆・小麦等は、出荷する前に農産の検査を行う。昔は農林水産省の出先機関、食糧事務所が行っていたが、現在は民間の検査機関(農協等)が行う。
例えば、スーパーで「石川県産コシヒカリ」と売るためには、この検査を経て、適正な流通の管理がなされて初めて可能となる。
食品の原料となることの多い麦・大豆は米ほどシビアでは無いが、品目横断的経営安定対策が始まる前の、交付金大豆、麦経の対象となるためには、この銘柄が必要だった。当然、新しい補助金である以下3の補助金にも関係してくる。
1、緑ゲタ(固定払)
2、黄ゲタ(成績払)
3、ナラシ( 収入減少補てん)
つまり、品目横断的経営安定対策に加入し、補助金を受けようと思えば、麦・大豆に関して言えば「銘柄」の品種を選択せざるおえないのである。

規模はさておき、金沢農業は、品目横断的経営安定対策に加入し、国庫の補助を受けている。

私達が、実需・生活者と結びつき試験栽培を重ね、育ててきた品種が「銘柄」設定されたことは素直に喜ばなければならない。
また、申請を協議する会議で、建設的な意見を頂いた、石川県、全農石川、検査協会、実需団体の皆様に御礼申し上げる。

ありがとうございました。

Posted by 井村辰二郎 at 12:18 午後 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月10日 (木)

有機栽培の苗が育っています

0804_037 0804_040 3・4月の農作業は慌しい。
ビニールハウスに並んだ苗箱を見ると、もう田植の季節かと、他人事のように感じる。

有機栽培の水稲栽培、有機米つくりで最も難しいのが育苗である。
無農薬で種子を消毒する技術である温湯消毒も大変だが、育苗に使う土(床土・培土)作りや、催芽と呼ばれる芽だしの行程、どの作業も気が抜けない。

殺菌剤や化学肥料の使用が前提の慣行栽培とは違い、リスクや苦労も多い。

少しづつ改良を加えた、床土・培土のレシピやプール灌水の試み。
挑戦・失敗。試行錯誤を繰り返して、理想に近づいてきた。

昨年が60点、今年が80点位だろうか?

大きな問題点が解決できたので、来年は95点を目指す。
もし95点になっても100点は追わない気がする。
残りの5点は神様へのお供え。

へんな文章になったが、完璧を求めることは私の辞書には無い。
何でも9割くらい達成できれば良しと思ってしまう。
何故か小さい頃から、そんな子だったように思う。

失礼、話がそれてしまった。
写真は、有機栽培・減農薬栽培に使用する有機栽培の苗。
当農場では、8400枚の苗を全て有機栽培で育苗する。

金沢農業の全ての水田が有機栽培になる日を信じて。

一句

「風まだか 青空夢見 天をさす」 

08005

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Posted by 井村辰二郎 at 04:18 午後 有機米 | | コメント (0) | トラックバック (0)