2009年12月31日 (木)

戸別所得補償モデル対策

12月31日。
久しぶりの休日に、今年一年を振り返ってみた。
今年は、有機麦類・有機大豆の収量が極端に悪かった。
栽培技術の問題もあるが、昨年麦播種期・本年の大豆播種期の天候不順が減収の原因になったと思う。
10月から12月にかけて行う来年産の麦播種は、おおむね順調だったし、大豆作での新しい雑草対策に道筋が立ったので、来年の実りに期待したい。
新しい農業生産法人も立ち上げ、農場のスタッフも増え充実してきた。
来年は、結果を意識した良い年にしたいと思う。

さて、自民党から民主党に政権交代して、来年度から新しい農業政策「戸別所得補償モデル対策」がスタートする。
新政権発足後から「新しい制度についてどう思いますか」こんな質問を受けることが多かった。
年末になり、予算も確定し、その仕組みの詳細も発表された。
自分なりに少し考えてみた。

私のミッションである「自給率の向上」「耕作放棄地の減少」この二つに絞って考えてみると、賛成である。
まず、戦後の農政は、上記二点については結果を出してこなかった。食料自給率40%、耕作放棄地38万ヘクタールの現状を打開するには、思い切った農政の方向転換が必要であり、その意味では大きな改革の一歩として期待している。

■「戸別所得補償モデル対策」について評価する点
日本の米作を「食料自給率向上の主役」と見直した点である。適地適作の考えが盛り込まれており、生産調整とセットで、不適地(水田)で無理やり大豆・麦の振興を行うよりも、理にかなっている。
何度も言うように、日本の水稲は世界に誇れる農業であり、持続性の有るシステムなのだ。
もう一点は、兼業農家等の小規模農家に対しても支援することで、都市部や中山間地等、条件不利地での水田荒廃の歯止めに期待ができる点である。農家の六割が65歳以上であり、担い手の掘り起こしと、農地の保全は、待ったなしである。
制度がシンプルな点も評価できる。

■「戸別所得補償モデル対策」に関連して思うこと
財源の問題もあるだろうが、米の価格維持政策からの決別が必要である。
個人的に戸別補償制度と生産調整の廃止は、セットで行われるべきだと思う。
兼業農家も含めた農家にこれだけの国庫を投入するからには、同時に農業の産業としての成長戦略を示すか、米価下落により家計負担が減る、米の市場開放により輸出関連産業の成長を促すなどが必要である。
専業農家としては、農業の産業としての成長戦略を是非一緒に考えて欲しい。

■新しい農業政策について
お米を中心とした、土地利用型大規模穀物農家の立場からすれば、自民党政権終期に、品目横断的経営安定政策が始まり、担い手へ施策が集中することに対する期待感が有った事は事実である。
今まで、構造改善事業などの農業土木や、関係団体に付いていた予算が、直接農業の現場である担い手に支払われるようになったことも評価できた。

さて、常々思うのだが兼業農家や集落営農等の個人資産の継承、治水や環境保全に軸足を置いた農家と、産業としての農業経営体に対する農業関連予算を別に考えることはできないだろうか。
つまり、成長産業として育てるべき農業と、国土保全・農村振興として守るべき農業のプレーヤーに対して使命や役割を明確に線引きし、個々の経営に着目した政策を打てないだろうか。
例えば、「戸別所得補償モデル対策」は、兼業農家に絞り、国土保全に協力していただく。専業農家は「戸別所得補償」ではなく、経営改善計画等将来の目標設定や、その達成度・プロセスや成果を評価し、補助金が支給されるような仕組みにはならないだろうか。
兼業農家と専業農家の役割や使命を明確にし、政策目標を数値化した上で、その達成度に応じて評価する仕組みである。

シンプルはいいが「十把ひとからげ」では、農政は行き詰まる。
色々な意味で、多様性を大切に考えなければならないと感じる。

Posted by 井村辰二郎 at 11:32 午前 日本の農政について | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年1月17日 (土)

日本の農業は成長産業?

財団法人 日本国際フォーラム

第31政策提言「グローバル化の中での日本農業の総合戦略」(2009年1月14日発表)に、

「今こそ日本農業が世界市場に進出し、成長産業に転じる絶好のチャンスと捉えるべきである。」

と書かれている。

昨日の石破農林水産大臣記者会見では(平成21年1月16日)

「我が国全体の産業の在り方として、これから先、農林水産業というものを成長産業として位置付け・・・・・・・・・・・・・・」

なる発言があった。

半年前は、WTO EPA FTA 貿易交渉の足を引っ張っていると言われた日本の農業。

数ヶ月の間に何が変わったのだろうか?

急遽成長産業に祭りたてられる農業。

農業者としてはピンとこない。

財界やシンクタンクからの提言に踊らされること無く、農家はしっかりした意見やビジョンを持って自らの経営を発展させてゆきたいものだ。

求められているは、農業界内部からの改革のような気もする。

今風に言えば、農家自らの「Change」といったところだろうか。


Posted by 井村辰二郎 at 09:29 午後 日本の農政について | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009年1月 9日 (金)

保護か?育成か?

私達穀物生産農家の事だ。

毎年多くの農業予算が使われている。
私も受益者の一人である。

例えば、私が耕している河北潟干拓地。
この事業にも多くの税金が投入されてきた。

例えば、私がリースしている大型トラクター。
リース料に対して助成を受けている。

例えば、私が農地の購入の為に借りた制度資金。
利子に対して助成を受けている。

地域の農協が受けている助成金についても、私達組合員が受益者である。

まず、感謝しなければならない。

さて、米政策。
米価維持の為に
目には見えないが、多くの税金が投入されている。
昨年話題になった、ミニマムアクセス米。
国の備蓄米。
WTO交渉に費やされるコスト。

多くの国庫を投入しても、育つべき担い手が育っていない。
誰の責任なのだろうか?

食料自給率の問題
耕作放棄地の問題

WTO、EPA、FTAなどグローバリゼーションの中で各界から注目される日本の農業。

消費者の負担から税金での負担へ?
農業は、まるっきり保護される産業となるのだろうか?

組織改革を始めた農林水産省。
WTOや農業問題を取り上げる政治家。

さて、私達農家の意識はどうだろうか?
今年は選挙や、農業基本法の見直しが有り、農業会にとっては節目の年だと思う。

いくら農政が変わっても、農業の主体であるべき農民の意識改革が進まなければこの国の農業は変わらないと思う。
私を含め、農業者は今ある環境に感謝し、国の基たる使命を果たしてゆかなければならない。

外部環境に左右されない絶対的価値の創造と継承。
産業としての農業の可能性を信じて、攻めの経営を実践するのだ。
ぬるまゆにつかるにはまだ早い。

独語

Posted by 井村辰二郎 at 07:19 午後 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月20日 (土)

「農業」と「農林水産省」の道

農林水産省 白須事務次官更迭 太田農相辞任

農林水産省の本丸、米で起きた不祥事。

本日付 日本農業新聞の一面トップ 

「農政ウオッチ」の見出しは 農水省存続の危機

2001年の中央省庁再編を思い出してほしい。

一府二十二省庁が一府十二省庁へ再編された。

中学の社会の時間に習った大蔵省や建設省の名前が消え再編された事はショッキングで記憶に新しい。

2001年の改革では無傷だった農林水産省。

今回の不祥事を機に、農林水産省の存続が議論されても不思議ではない。

○安全安心を統括する消費者行政は消費者行政担当へ。

○商農工連携など産業としての農業は、経済産業省へ。

○治水・植林、環境保全としての機能は環境省・国土交通省へ。

○農地法関連や耕作放棄地対策、農道・農業用水等の社会インフラの整備は国土交通省へ。

○食育やグリーンツーリズムなど農村文化の継承は、総務省、文部科学省へ。

○食糧自給率のアップ、食糧安全保障は総務省、防衛省へ。

国民の声が高まれば、こんな再編が行われても不思議ではない。

もともと、全ての産業は農業から分岐して世を豊かにしてきた。
中学の授業に呼ばれるときに、第一次産業の歴史や重要性の話からすることが多い。

日本で農業が始まったのは?→弥生時代
世界では?→メソポタミア文明

「衣食住 」
「衣」は?→綿・シルク・麻
「食」は?→農漁業産物
「住」は?→木材・かやぶきの屋根・畳

私達の身の回りにある全ての基幹に農業林水産業が係わっているのだ。

農林水産業は国土・国民にとって多面的で基幹となる産業である。
地方では特に重要だ。

この農林水産業をつかさどる「農林水産省」
私達農民は、あなた方の指導のもと誠実に農地を耕してきた。
使命を果たしてきた。

今回の不祥事を真摯に受け止めて欲しい。
原点回帰
国土国民の声なくして、農林水産業も存続できないのである。

行政改革・財政再建はこの国にとって必要な改革かもしれない。

しかしその転機が、食品に対する不安や、一部の心無い業者の不祥事によるものとは情けない。

世界はめまぐるしく変化している  「農林水産省」も変わらなくては。

近未来、農林水産業が国の基幹産業に回帰する時代が必ず来る。

頑張れ「農林水産省」

私は「経済産業省」よりも「農林水産省」とともに農業の可能性に挑戦したい。

今、世論は農産業を注視している

スピードと改革と永劫性。

農産業「変わらなくっちゃも変わらなきゃ」

「農は国の基なり」

「農業」も「農林水産省」も国民の幸せに資する道へ進まねばならない。

Posted by 井村辰二郎 at 11:59 午前 日本の農政について | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年9月17日 (水)

汚染米・米粉

一連の事件は、お米をまじめに生産する農家として、そして消費者として残念でならない。

心無い業者や、担当行政の指導管理体制への批判はマスコミにまかせ、今回の汚染米事件から思う米粉流通や米粉の需要拡大の可能性について書いてみる。

さて、今回の事件、流通ルートの全容解明・・・・・・など等
チャートや図で新聞に大きく報道されている。

「お米って、こんなにいろんなところで利用されているのか」
こんな感想を持たれた方は多いのではないだろうか。

日本の食文化は、お米なしには語れない。
焼酎から味噌、おせんべい・・・・・。
粉に形を変え様々な食品に混ぜられているのである。

与党や農林水産省は、米粉や飼料米を水田営農対策、耕作放棄地対策、自給率アップの切り札として、米粉の振興を進めるようだが、冷静に考えてほしい。
今回の「事故米の流通」を検証すれば、価格が安ければどんなものにでも使えるし、実儒者・消費者が口にできることが理解できる。
もちろん、安全が前提であるが。

なにが言いたいかというと。
米粉の生産を振興しなくても、価格さえ下がれば、米の需要は増えるということである。

米の価格政策から決別して、マーケットから評価される「日本の米業界」を育てるべきだと強く思う。
何度でも言う、農林水産省は減反政策から舵を大きく切り、米の価格政策から米の生産振興・利用振興・需要振興へ向かうべきである。

WTOやEPA・FTAがもたついている数年を猶予期間と考え、生産調整を廃止すべきである。
もちろん、米価下落による農民の痛みもあるだろうが、この痛みを乗り越えなければ、日本の米作農家の未来はない。
みかん農家も野菜農家も畜産農家も皆、乗り越えてきた道である。

米価下落を何故恐れる。
古里の田を耕し、国民に安全安心で美味しく、適正価格のお米を安定的に供給する。
この事が農民の使命ではないのだろうか?

道理が有れば、結果はついてくる。
七色の補助金で問題を先送りしても、誰も幸せにはなれない。

耕作放棄地・食糧自給率
この二つを解決するシンプルな方策は、生産調整の廃止である。

慣行米より安い有機小麦を生産する農家が、外麦との相対的な価格差に挑み、苦労してきた。
今現在、こんなに高い日本の米を粉にしたところで、安価な小麦粉と競争できるはずがない。
マーケットはそんなに甘くはないのだ。
もちろん補助金で誘導することに一定の効果はあるだろうが、お米の価格が下がるほうがシンプルである。

最後に一言、もしもお米農家で、農産加工の為に高価な米粉機を購入することを検討している方がいらっしゃるなら「採算性」をよく考えて導入してほしい。
機械に対する補助や作付けに対する補助が有っても、10年先、20年先を考えて欲しい。
一キロ当たり200円前後の玄米を加工して、一体いくらの農産加工品を作ろうと言うのだろうか?

今回の汚染米事件でわかるように、米粉が流通する世界は、クズ米、古々米等の世界。
無責任な米粉振興に国庫を投入することには賛成できない。

汚染米事件報道から思うことである。

Posted by 井村辰二郎 at 11:49 午前 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月 8日 (金)

諫早湾 (河北潟干拓地の今)②

さて、私の職場である河北潟干拓地の現在。

適地適作、地域性を考えずに進めた畑地化の失敗。
酪農団地の苦悩。

水稲の規模拡大を夢見、増反を希望した多くの農家が、水田→畑地への地目変更に失望し去っていった。
そして、畑作に挑戦した多くの先輩達も野菜の産地化を達成できず去ってゆく。

私が就農した11年前は、耕作放棄地が10%近くもあり、葦(ヨシ)だらけの荒地が目立った。
元来沼の底であった河北潟干拓地の土壌は、重粘土(陶器が焼けそう)で腐食も少なく、物理性が極端に悪いのだ。
雨が降れば湿害(水はけが悪い)
干ばつが続けば、石のように硬い泥の塊が作業効率を悪くする。
雑草の種類、量も半端ではない。

お米ならば3年間くらい無肥料で栽培できる肥沃な湿地帯。
何故、ここを畑地に誘導したのだろうか。
実際、レンコン団地の営農は順調である。

「米あまりによる国の新規開田抑制通達」この通達が全てである

この通達が河北潟干拓地の現在を決めたと言ってもいいだろう。

現在は、麦・大豆二毛作による土地利用型大規模経営農家が数人で、その多くの農地を管理している。
最近では、過去の実績による補助金を受けながら、加工米の生産に取り組む農家も増えてきた。
反収150キロの大豆、300キロの大麦を栽培するよりは、たとえ安くとも(6千円/60kg)の加工用米を生産したほうが所得が上がる。お米の収量は苦労なく反辺り500kgを超えるのだ。

私はと言えば、約10年間で90haの耕作放棄地を耕し規模拡大してきた。
父親が確立した、麦・大豆二毛作による土地利用型大規模畑作を有機栽培に転換して、悪戦苦闘している。

さて、平成22年に河北潟干拓地は、25年前から払い続けてきた借金(農地の造成のために国から借りていた借金)の償還が終了する。
農政の舵取りしだいでは、多くの農家が畑作を断念し、水稲を生産する可能性もある。

もしかしたら、最後まで麦・大豆の生産を続けるのは、私だけかもしれない。
応援してくださる消費者・流通・実儒者(加工メーカー)への供給責任が有るのだ。

有機栽培そして地産地消の麦・大豆。
険しい道である。

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2008年7月13日 (日)

諫早湾 (人類の自然破壊)①

人類による自然破壊

農業による自然破壊

諫早湾干拓事業による自然破壊

諫早湾の排水門の開門を巡って混乱がある。
国側は佐賀地裁判決を不服とし控訴した。

湾岸漁業に与える影響
水門内漁業に与える影響
干拓地農業の灌漑用水への影響
地域の防災(水害・塩害)への影響

様々な利害や住民の感情があり、私の限られた知識の中では、その是非について結論付けることはできない。

水門の開門についての議論が多いが、この問題を考える時には、人類のエゴによる自然破壊、環境破壊の現実、さらに農産業の自然破壊、環境破壊の問題を整理しなければ、議論できないと考える。

有機農業や農業のあり方を議論するコミュニティーなどでよく指摘されているのが
「農業だって立派な自然破壊・環境破壊」
この類のコメントである。
もちろんこの話を掘り下げれば、人類の存在自体が自然破壊・環境破壊の源泉となる。

日本国民は国土の自然を様々な開発により破壊してきた。
その意味では、諫早湾の干拓事業も列記とした環境破壊である。

さて、私の職場、河北潟干拓地も国営干拓地。
日本の高度成長経済とともに始まり、約30年の営農が行われてきた。
私の祖父・父は、潟での漁業権を国に売り渡し、新しい農地へ増反した。

次の日記では、八郎潟干拓地の後、そして諫早湾の前に行われた、河北潟干拓地の現在を分析して書いてみようと思う。
諫早湾の干拓事業を私自身が考える為の基礎として。

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2008年6月21日 (土)

北欧の「ふるさと存続運動」

農業新聞に掲載された、東京大学教授 神野直彦先生のコラムに感銘を受けた。

「ふるさと納税」に対する問題提起から始まり、北欧の「ふるさと存続運動」を例に挙げながら、日本における、都市と農村の在り方を書いている。

日本の「ふるさと納税」に対して、室生犀星の「ふるさとは遠きにありて思うもの」を連想させるとしている。
一方北欧のそれは
「ふるさとは近くにありて愛するもの」
「ふるさとは近くにありて守るもの」
という発想だそうである。

ノーマライゼーションやクオリティーオブライフが掛け声も無く静かに広がるスウェーデンでは、「ふるさと存続運動」も派手なキャンペーンとしてでは無く進み、人が田舎にとどまり、地域興しをする。
ふるさとに有る「生命の蓄積」としての自然資源が認められているのである。

神野教授はまた、子どもを育てる「人生の為の教育」として、子ども達が地域の自然とかかわる重要性を指摘している。

ヨーロッパのケルトが自然を崇拝していたように、北欧の人々が大切に想う「ふるさとや自然」
自然を愛で崇拝してきた歴史を持つ日本人の心の奥底にも、自然に対する尊敬の気持ちが残っているはずである。
日本人が理解できないはずが無い。

グローバル化とともにローカル化が進むと言うグローカリゼーション。
農産業の持つ可能性と存在意義を再認識させられたコラムであった。

先生ありがとうございます。



Posted by 井村辰二郎 at 08:29 午前 日本の農政について | | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年6月15日 (日)

韓国、対米FTA合意

本日付けの日本農業新聞に興味深い記事が載っていた。
JA総合研究所の研究員と南九州大学教授が、韓国が米国との自由貿易協定合意に至った背景や世論の変化などをまとめた記事である。

韓国政府はウルグアイ・ラウンド後、国内農業に対する好意的な世論を背景に、農村の基盤整備・農家や農業団体への免税処置等、11年間で約9兆7000億円の支援をしてきた。
しかし、結果は農家負債の増額を招いただけだという。
その結果、97年の通貨危機から経済の建て直しを図る間に所得の格差が拡大し、食品価格の高さに不満を持った消費者や経済学者による農業投資無用論が沸き起こり「農業開放」によるFTAを、重要な成長戦略と位置づけた。

両氏は、農政の失敗だけでなく、消費者の声に正面から向き合ってこなかった生産者や農業関連団体の責任も指摘している。

韓国でのできごとは、そっくり日本にも当てはまる。
世界的な食料インフレを背景に、
日本の自給率の向上を声高に叫ぶ政治家。
選挙による審判を経て、農業へのさらなる国庫投入がなされたとしても、短期間で成果を出さなければ、不景気・インフレに不安を抱く国民から理解を得ることはできないだろう。

今はまだ、国民の農家へ対する声は「あたたかい」
「大変ですね」
「頑張ってくださいね」
「食料自給率は上げたいね」
こんな声はまだある。

しかし、早急に結果を出さなければ、農林水産省も農業団体も農家も含めた、農産業全体の審判が下る日がくる。

兎追いし

小鮒釣りし

古里が消えつつある。

農村の自立

都会との交流、相互理解。

各自が自己の責任を果たし、美しい国を存続させ地球市民として責任を果たすこと。

私も含めた農民は、その責任を認識し、積極的に国土を耕そうではないか。

まだ間に合う。

さあ、国民の理解がある間に私達の存在意義、価値を示すのだ。

とにかく、自己の責任で耕す。

その後に、結果はついてくる気がする。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

父の日で、ちょっといい気分^^

乱筆、乱文悪しからず。

Posted by 井村辰二郎 at 07:57 午後 日本の農政について | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月19日 (月)

農業生産法人(株)アジア農業の設立

新規就農してからあっという間に11年が過ぎた。
化学肥料と化学合成農薬を使用しない有機農業と格闘しながら
約90ヘクタールの耕作放棄地を開墾してきた。
経営として成り立たせるために、地産地消・農産加工を積極的に進めてきた。

まだまだ発展途上ではあるが、多くの消費者や食品加工メーカー、販売会社に支えられ一歩一歩前進してきた。

次のミッションがある。
10年前から温めていたアジア農業構想。
まず手始めに、能登門前山是清の耕作放棄地約40ヘクタールを開墾する。

農民は耕すことが基本である。
私達の耕す力を必要とする地域が有れば馳せ参じよう。
現在、計画立案中。
2014年までに達成すべき数値目標等を作成中だ。

私達のミッション

アジア農業は、日本の耕作放棄地を開墾し、有機小麦・ 有機大豆・有機玄米で、農村雇用の創出、食糧自給率のアップ、アジアの食糧安全保障に貢献します。




Posted by 井村辰二郎 at 08:24 午前 日本の農政について | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月18日 (日)

EU、減反政策撤廃へ

本日付け日本経済新聞の一面トップの見出しである。

減反といっても、お米ではなく小麦(麦類)だ。
EUではこれまで、耕地面積の10%で、作付けを制限していたが、一転して10%の増産に転換する。

欧州委員会は構造的な食料価格の高止まりが続くと分析したらしい。
穀物相場の高騰や、輸出国の輸出規制等からヨーロッパの決定には驚かないが、分析から決定、行動までのスピードには感心させられる。

日本の農政はといえば、20年産米の生産調整にやっきだ。

米粉もいい、飼料用米もいいだろう。
しかし、そんなことを研究・議論している前に世界の情勢は変化して行き、日に日に農地は荒れ、農民は減ってゆく。

大切なのは決断力とスピードだ。
農政改革待った無し。

もう一度言う、変わる決断力とスピード。
私達農業者もこのことを肝に銘じて、営農のスタイルを再構築する努力をしなければならない。

Posted by 井村辰二郎 at 07:03 午前 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月15日 (木)

家族経営の終焉

当たり前に営まれてきた、農業の家族経営に対して、経済界からダメだしが出た?

昨日行われた経済諮問会議は「企業型農業経営」の拡大を提言した。

担い手と呼ばれる専業農家のほとんどが「家族経営」つまりお爺ちゃんとお婆ちゃんとお父さんお母さん、息子。
家族で地域の田畑を耕してきた。
青色申告の個人事業主が多い。
(金沢農業もこのスタイルである)

農地法で要件が定められた農業生産法人も活躍しているが、この要件を緩和し株式会社による農業参入を容易にするのが狙いである。
ポイントは、
1、リース方式で借りられる農地の市町村による指定を廃止
2、農業担当の役員が一人以上で農業生産法人として認める
この2点だろうか

つまり、誰でも農産業に参入できるということだ。

どうコメントしようか。
自由主義経済、グローバリゼーションの中で、規制緩和や構造改革を進める事が大切。
単純にこう考えるならばマルだろうか。

「家族経営の担い手は育っていない、このまま家族経営や現在の農業生産法人に任せておいても日本の農業は良くならない」
経済界からの痛烈な批判のようにも感じる。

私の心情は「賛成ではないが、やってみるしか判らないのでは?」
こんなところだろうか。

「アメリカも家族経営が主流である」
農林水産大臣の発言にもあったように
農林水産省も家族経営は肯定している。

農林水産省・都道府県市町村の農業職員・全農や農協・農業共済組織・土地改良区・・・・
農産業界なるものがあるならば、早急に構造改革を進め成果を示さなければ、財界の圧力には逆らえないだろう。

担い手が育っていない
新規就農者が増えない
耕作放棄地が減らない
今の農業界は、結果を出してこなかった

家族経営中心の担い手に施策が集中する前に、自由主義経済のうねりの中で没してしまう。
これが運命ならそれも仕方が無い。

昭和から湯水のごとく使われてきた農業関連予算。
家族経営の担い手は育たなかったということだろうか。
残念だ。

Posted by 井村辰二郎 at 08:03 午前 日本の農政について | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月14日 (水)

新規就農者支援

最近こんなことがあった。
ある農家で半年間研修した青年がレンコン農家として独立を考えた。
約1.2ヘクタールの農場をノレン分けしてもらい、さあ就農だ。

農地は借地で手当てできたが、最低限の農機具や種芋代金などを手当てする資金が無い。
都道府県の新規就農窓口に相談して約200万円の無利子の融資を申し込む。
国庫から利子補給を受ける新規就農者資金である。

結果は、厳しかった。
彼の営農計画では償還が不可能で、貸付できないとのこと。

何故だ?

言葉を失った。

一般的にお金を借りるときには、担保物件・保証人・人の資質(信用)

様々な審査があるのだろうが、今回のケースは営農計画に信用性が無かった?

国を挙げて新規就農者増大に取り組んでいるところ。

行政の担当者は、もう少し暖かい対応はできなかったのだろうか?

その若者は、種代を工面してなんとかレンコンを植えた。

このことをバネにして頑張るそうだ。

とても誠実で能力の有る若者なので、きっと良い農業者に育つであろう。

私も応援する。

国の財政も地方の財政も厳しいのはわかる。

しかし、都道府県によって支援内容、基準に温度差が有ること。

本当に支援すべき若者に、今回は結果として支援が無かった。

新規就農者の支援は、株式会社の農業参入よりも優先すべき課題だと感じる。

 

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2008年5月12日 (月)

カーボンフットプリント

カーボンフットプリント(炭素の足跡)
消費者が商品を購入する際の選定理由として、消費することによる環境負荷がイメージできるように、CO2の「見える化」をする取り組み。
製造、配送、販売、廃棄の各段階でどれだけCO2を出しているか算定、表記するシステム。

5月8日付け日本経済新聞の一面に、経済産業省主導で導入に向けた研究会が設置されるという記事が載っていた。

日本の省エネルギー製品製造技術や環境関連の技術は先進的で、世界がCO2排出削減のミッションを掲げれば、日本の製品も売れる。
こんなシナリオだろうか?

これと似た言葉で「ウォーターフットプリント」や「フードマイレージ」なる言葉もある。

どんなに、省エネや環境負荷低減の技術を持っていても、食糧を大量に輸入し、その40%を廃棄している国の政府、国民に環境問題を語ることはできないのではないだろうか。

この記事の中で、CO2排出量表示のイメージとして
ポテトチップスの例が図入りで載っている
ポテトチップス→CO2排出量70g
ジャガイモ栽培45%
製造      30%
包装      15%
配送       8%
廃棄       2%

農家として注目したいのが、栽培による45%
イメージであり根拠は示されていないが、慣行栽培か有機栽培か、不耕起栽培等耕し方によっても数値は変わってくる。
農林水産省も「今後の環境保全型農業に関する検討会」 において、環境保全型農業の環境に対する功罪を議論している。

経済産業省と大企業ですすめられるシステムとその基準作り。

農産物の数値化については、是非農林水産省も参加して発言してもらいたい。

例えば、野菜工場で生産されるトマトと路地のトマトでは、前者が善で後者が悪。

こんな数値化、レッテルが貼られてからでは遅いのである。

Posted by 井村辰二郎 at 09:05 午前 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月27日 (日)

「担い手」アカウントエグゼクティブ

AE(アカウントエグゼクティブ)
広告業界で使われる言葉だが、私の頭の中には、クライアントの為に総合的な支援をする営業マン的なイメージがある。

さて、農家として経済活動を行うと色々な壁にぶち当たる事がある。
もちろん農業技術や農業経営的な悩みも多いが、案外手ごわいのが、地域の問題や農政局・都道府県・市町村・JAグループとの調整である。
具体的に何がどうとは言わないが、農業関連の組織・団体が多くあり、その全ての方々の立場や組織の利益、また法令的な建前を満たすには相当な努力が必要と感じる。
あれはダメ、これもダメ、これは対象にはならない、これでは支援できない。
ネガティブな意見も多い。
新しい試みを有る程度のスピードで達成しようとするときには、特この壁を感じることが多いのだ。
法令順守・自己責任がモットーだが、真面目にその壁と会話しようと考え行動すればするほど、膨大なルーチンや時間を消費する。

担当者は皆さん優秀で、日本の農産業の発展の為に働いておられる。
しかし、担い手からの相談、申し出に対して、結果として担い手のチャレンジににブレーキをかけていることはないだろうか?
共に悩み考える、今の農業界はこんな時期に来ているのではないだろうか。

提案である。
地域の個々の担い手に相対して農政局・都道府県・市町村・全農・農協職員の精鋭からなるコンサルティングチームを組織してみてはどうだろうか。
各職員の目標は、担い手の営農を発展させ所得を増やし納税すること。
メンバーは法令順守の下、必要に応じて公平な立場で出向組織との調整を行う。
またメンバーは、その担い手の経営改善計画の達成度によって、職場での評価が決まる。

「担い手」アカウントエグゼクティブとでもイメージしようか。

日本の農業界は、まだまだ発展途上である。
担い手と農業関連団体がしっかりスクラムを組み、成果をあげなければ農の未来は無い。

時間は少ないが、まだ間に合うかもしれない。

もっともっと皆さんの英知を頂きたい。
そしてポジティブに営農したい。
さあ、米・麦・大豆。
沢山作るぞー☆

Posted by 井村辰二郎 at 06:39 午後 日本の農政について | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年4月26日 (土)

耕作放棄地

2005年の調査によると、日本の耕作放棄地(農地)は38.6万ヘクタールに及ぶ。
38万ヘクタールと言われてもピンとこないが、滋賀県や埼玉県と同じ面積の農地が耕作されずに放置されている。

急速に国土が荒れている。

私は、評論家でも政治家でもない、農家である。

行動無く憂うより

「そんなに多くの耕作放棄地が存在するならば、耕してみようじゃないか」

最近、こんな気持ちが沸々と心を支配してきた。

実際、私が就農して10年間で約90ヘクタールの耕作放棄地を開墾し、有機大豆・有機小麦の栽培を進めてきた。

能登門前の第二農場に8ヘクタールを開いて3年目になる。

これから6年(後6年で50歳になる)の私のミッションは、有機穀物の生産拡大と、耕作放棄地の開墾となりそうだ。

まず手始めに、荒れ果てた門前山是清の耕作放棄地50ヘクタールを開墾する。

そして、県外へ出ようと思う。

全国の過疎地の耕作放棄地を耕す。

温めてきた「アジア農業プロジェクト」

私の心の中で静かにスタートする。

Posted by 井村辰二郎 at 06:18 午前 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月25日 (金)

アグリフレーション

アグリカルチャーとインフレーションの文字を合わせた造語。
世界的な穀物価格の高騰を指す。

マスコミ各社の報道により、輸入穀物の価格が高騰していることをご存知の方も多いと思う。
カップラーメンやパン、醤油・味噌など、身近な食材の値上げが行われ、生活の中でも実感できる。

原因をおさらいすると
1、地球温暖化などによる主要産地の不作(オーストラリアは2年連続の干ばつ)
2、世界の人口増加と、中国・インドなどの経済発展が進み畜産物の消費が増えたこと(肉を1キログラム生産するために6キログラムから10キログラムの穀物が必要といわれる)
3、バイオエタノール需要など、作付けシェアの変化
4、オイルマネー、ファンドなどが投機目的で穀物市場に流入
この4点が考えられる。

食糧ナショナリズム?国内の需要量を確保するために、輸出制限をする国も現れた。一方では、食糧が手に入らなくなり暴動が起きている国もあると言う。

日本といえば、工業製品輸出で獲得した外貨により、世界中から食糧を買い集め、その40%を食べ残して廃棄している。
その経済力にもかげりが見え、大手商社は世界市場で買い負けている。

お米の生産調整をしながらも、買いたくない77万トンの玄米を輸入(ミニマムアクセス分と呼ばれる日本に課せられた最低輸入義務米)し、お米の国際市場を吊り上げている。

何かおかしいぞ、WTO。
何かおかしいぞ、日本人。

Posted by 井村辰二郎 at 08:30 午前 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月24日 (木)

担い手不在

一昨日、金沢市の事務局の召集で、平成20年産米 第4回方針作成者部会に出席した。
出席者は、金沢市内の生産調整方針作成者である金沢市農業協同組合・金沢市中央農業協同組合・倉山米穀(株)そして井村辰二郎(個人:別名ひとり親方)、オブザーバーとして北陸農政局の担当者が同席した。
議題は、
1、平成20年度 第一回金沢市水田農業推進協議会通常総会 について
2、県間調整の負担金について
3、県内調整の負担金について
4、農閑期における担い手育成事業について

主な議題は、1番の会議で議論される内容についてで、産地づくり交付金の使われ方や、金沢市水田農業ビジョンの一部変更などの説明であった。
平成20年度 第一回金沢市水田農業推進協議会通常総会については、存在は知っていたが、予算の内容や委員名簿を見たのは初めて。
私が参加したのは、生産調整の方針者同士の部会なので、通常総会に対する議決権は無いが、情報を知ることができたので、勉強にはなった。
もともと金沢市は山間部や開発による改廃農地が有るので、生産調整方針作成者である農協さんの下に入ったほうが、配分需要量は多くなる。
周りの農家からすれば、なにを物好きな?
生産調整方針作成者になる経営的なメリットなど無いと言う事になる。
まあ、私が方針作成者になった経緯はさておき、

1、平成20年度 第一回金沢市水田農業推進協議会通常総会の委員の名簿を見た率直な感想が「担い手不在」である。
委員を挙げよう
1、金沢市農業協同組合代表理事組合長
2、金沢中央農農業共同組合代表理事専務
3、石川中央農業共済組合参事
4、金沢市農業委員会農政振興部会長
5、金沢市土地改良事業教会副会長
6、金沢農業振興協議会長(旧・金沢中核農家連絡協議会)
7、金沢農業振興協議会女性部長(旧・金沢中核農家連絡協議会女性部)
8、金沢市農業協同組合女性部長
9、金沢市中央農業協同組合女性部長
10、金沢市青年グループ連絡協議会
11、(株)米心石川営業部長
12、金沢市校下婦人会連絡協議会副会長
13、石川県消費者団体連絡会副代表幹事
14、石川県立大学教授
15、金沢市農林部長
さて、私の知る限り上記で専業農家は2名、結果的にその農家も稲作農家ではない。

農業社会?全般に言えることだが、重要な施策や決まりごとが有識者?と呼ばれる方々により議論され舵取りされることが多い。
金沢の水田農業ビジョンの策定に、水田の担い手が参加していないのは寂しい限りである。
全国の農業者は、決定事項に文句を言ったり、批判するのではなく、もっと議論の場に参加し、意見を述べるべきであるし、その仕組みづくりが必要である。
農産業と呼べる業界があるとするならば、もっと主体をハッキリさせるべきだ。
「担い手」とは「耕すだけの人」ではなく「考えて耕す人」でなければならない。

Posted by 井村辰二郎 at 04:54 午後 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月11日 (金)

朗報

昨年の11月26日に、私が個人名で申請した
大豆の「サチユタカ」「フクユタカ」
小麦の「ユキチカラ」
上記の品種が石川県の「銘柄」に設定された。

一般の消費者の方には、聞きなれない言葉だが、穀物生産農家にとっては、重要な意味を持つ。
http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/hatashin/daizu/meigara.html(参照)
農産物検査法(昭和26年法律第144号)第6条第1項の規定に基づき定められた農産物規格規程(昭和26年農林省告示第133号)に定められており、各都道府県の奨励品種などが一般的である。

お米・大豆・小麦等は、出荷する前に農産の検査を行う。昔は農林水産省の出先機関、食糧事務所が行っていたが、現在は民間の検査機関(農協等)が行う。
例えば、スーパーで「石川県産コシヒカリ」と売るためには、この検査を経て、適正な流通の管理がなされて初めて可能となる。
食品の原料となることの多い麦・大豆は米ほどシビアでは無いが、品目横断的経営安定対策が始まる前の、交付金大豆、麦経の対象となるためには、この銘柄が必要だった。当然、新しい補助金である以下3の補助金にも関係してくる。
1、緑ゲタ(固定払)
2、黄ゲタ(成績払)
3、ナラシ( 収入減少補てん)
つまり、品目横断的経営安定対策に加入し、補助金を受けようと思えば、麦・大豆に関して言えば「銘柄」の品種を選択せざるおえないのである。

規模はさておき、金沢農業は、品目横断的経営安定対策に加入し、国庫の補助を受けている。

私達が、実需・生活者と結びつき試験栽培を重ね、育ててきた品種が「銘柄」設定されたことは素直に喜ばなければならない。
また、申請を協議する会議で、建設的な意見を頂いた、石川県、全農石川、検査協会、実需団体の皆様に御礼申し上げる。

ありがとうございました。

Posted by 井村辰二郎 at 12:18 午後 日本の農政について | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月25日 (土)

輸入小麦10%超値上げへ

政府が商社を通じて輸入、製粉会社等へ売り渡す輸入小麦の価格が10月より、主要5銘柄で平均10%超の値上げになる。背景には、オーストラリアの不作とバイオエタノール原料への転作による世界の穀物市場の高騰が有る。トウモロコシ・輸入大豆、海外に依存している穀物・飼料の価格はこの一年で大幅に値上がりした。世界人口が増え、アジアアフリカ等の途上国の所得が上がり、穀物に対するインフレ懸念は、バイオエタノールの需要増(ブーム)により一気に深刻化してきたのだ。
さて、国産穀物に目を向けると、カロリーベースの自給率40%を10年内に45%まで上げるとする農林水産省の目標を達成すべく、米・麦・大豆の主要作物とその担い手に集中的に施策を集中させる「品目横断的所得安定政策」がスタートしたが、その効果も未知数である。実際、先般発表された国内自給率は39%。45%どころか40%を保つことすら出来なかった。
WTO対策として緑の政策(公平な国際競争を醸成するため、国内の生産振興の為の補助金は削減対象となる)などと、優等生的な事を言っていては、日本の農業は壊滅する。
国内農業の保護は、WTO・FTA・EPA交渉の足を引っ張る。、日本の経済を支える大企業の一部は、農産業などは自分達の税金で食わしてやるから、農産物は自由化して機会損失は避けたいなどと思っているかもしれない。

たしかに、今は車・ハイテク製品を輸出してなんぼの国かもしれない。
しかし、戦後、奇跡の高度経済成長を続けてきたこの輸出モデルが未来永劫続くのだろうか。

この国の舵取りに責任ある官僚・政治家の方々。
是非、一世紀位のスパンでこの国の国土・文化・人々・暮らし・生活をデザインしていただきたい。
産業・経済・環境・外交その全てが持続可能なシステムでなければ、22世紀の日本は無いと思う。

モノ的な豊かさから、精神の豊かさ心の豊かさの時代へ。

水が豊かで、自然を愛でるこの国の心は、アジア、世界のモデルとなる可能性を秘めていると思う。

キーワードは内需。持続可能なシステム。
例えば稲作。日本人は世界に誇れるこのシステムをないがしろにしてはいけない。
美しい瑞穂の国日本。
安部首相のスローガンは少し時代を読み間違えただけなのかもしれない。

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Posted by 井村辰二郎 at 09:55 午前 日本の農政について | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年8月24日 (金)

農林水産省が「自作農主義」を放棄。

本日の毎日新聞によると。農林水産省が戦後の農地制度の基本理念だった「自作農主義」を放棄。農地の「所有」よりも「利用」を重視した法体系に転換するそうだ。
農地に関係ない人にはピンとこないかもしれないが、農家にとってはビッグニュースである。
これから見直される内容がどんなものになるか分からないが、農地の流動化や相続税の納税猶予制度の改正など、色々な面で改革・混乱が起きそうである。また、2008年度予算の概算要求に200億円超の総合対策費を盛り込むというから、農林水産省は何をやらかす気なのだろうか?はっきりいって恐ろしい。
私は、土地利用型の大規模な穀物農家で、その生産のほとんどを借地で行っている。「利用」を重視すると言うことは、短い利用権の設定や、不確実なヤミ小作、地主様の納税猶予を手助けしている作業請負などが減るということなのだろうか?千年産業を経営理念に上げる当農場としては有りがたい事かもしれないが、利用料が上がり地主に対して賃借料の補助金が出たり、農地の集積化を大義名分にして、土作りをしてきた有機農地から追い出されたり、いろいろな事が起こりそうだ。
このところの農政改革は、農家のヒアリングも行わずに農林水産省主導で、ドンドンハイペースで進んでゆく。農地法の改革の前にやらなければならないことが沢山有るような気がするのは、私だけだろうか。
農地は国民のもの。
どうせなら、農地全てを、国が買い取って、平成の農地改革を行ってはどうだろうか?
私も含めて、農地は売買目的の資産では無く、未来永劫耕す人の「農の場」でしかないと言うことを再認識すべきである。その意味では「所有」から「利用」重視の流れは賛成できる。しかし、取っ掛かりの考えが良くても、議論している間に中途半端に、あるいは運用の仕組みや人力不足で違う方向へ行ったりすることも有る。
農林水産省の打ち出す政策や施策に対して、なんの影響力も持たないが、地域の現場が混乱して、規模が極端に減ったり有機農家が締め出しをくったりするのだけは勘弁してほしい。
一生懸命に、心静かにそして心豊かに営農をさせてほしい。
合理主義・産業第一主義・WTO・EPA・企業参入・・・・・なんでもいいが
是非、心の通った農政で有ってほしいものだ。

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Posted by 井村辰二郎 at 06:11 午後 日本の農政について | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年5月31日 (木)

食料・農業・農村政策審議会委員の公募

食料・農業・農村政策審議会委員の公募
農林水産省では、タイトルの委員を公募している。
原則として、食料・農業・農村問題に感心の有る方は、だれでも応募できる。
6月4日の締め切りまで少しだが、興味のある方は挑戦して欲しい。

さて、この審議会は、大変重要な農林水産大臣の諮問機関であり、
日本の農業政策の舵取りや、農政に民意を反映させる意味では、重要な会である。
私も2年前に、ある農業団体から推薦を受け、個人の意思で応募した。
結果は、残念ながら落選となったが、機会が有ればまた挑戦したいと思う。
今回も応募しようか迷っている所です。

応募の方法の中に、五つのテーマの中から一つを選び、意見・提言を1200字以内にまとめて提出とある。
テーマは
1、 食料自給率の向上のために政府がなすべきこと
2、 食の安全・安心の確保のために政府がなすべきこと
3、 日本農業の構造改革のために政府がなすべきこと
4、 都市と農村の共生・対流の促進や農村の活性化のために政府がなすべきこと
5、 生物系資源の持続的な利用に向け政府がなすべきこと
応募するかどうかは別として、この五つのテーマについて自分の意見や提言をまとめて見ようと思う。
少し時間がかかるかもしれないが、日本の農業を真剣に考える農家の一人として、小論文を書いてみるつもりだ。
これを機会に「日本の農政について」というカテゴリーも新設した。
まずは、
1、 食料自給率の向上のために政府がなすべきこと
から書いてみる。

書けたら公開しますね。

Posted by 井村辰二郎 at 07:11 午後 日本の農政について | | コメント (2) | トラックバック (0)